轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ひまわりのめ

向日葵の眼

野村 胡堂

「少女倶楽部」1929(昭和4)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,919 字 · 18 页

青空文庫

三人が屋上へ出たのを知って、紺野の一味が、日干しにする積りで鍵をおろしてしまったのでしょう。

「向日葵の眼と言うから、この彫刻の向日葵の蕊に当る穴へ凸レンズをはめ込めばいいだろう、麗子さんのお父様は理学の大家だったから、キットそんなことを考え出されたに違いない……何んかレンズに代るものは無いかなア――」

香椎六郎が四辺をキョロキョロ見廻すと、

「十銭の穴明き白銅なら持って居てよ」

加奈子はそんな事を言います。

「そんな小さいものじゃ指環の文字は読めるだろうが、此向日葵の眼にはならないよ、しっかりおし、女探偵さん」

昨日上野の森の苦心談を聞かされて居るので、六郎はこんな事を言って加奈子をからかいます。

「あら、叔父さんヒドいワ、――では此時計の硝子なら何う――」

加奈子に指されて見ると、卓上の置時計――とうの昔から止って居る大理石の置時計――の硝子が、不思議なほど見事な曲線を描いて、コンモリ円くなっていることに気がつきました。

「これだこれだ、エライゾ加奈ちゃん」

六郎は飛付くように時計を取り上げて、その裏の螺旋を引抜き、わけもなく表の硝子を外してしまいました。