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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

と細帯を巻き付けたままどっかと腰を据える。

「その風はなんだ、宿場女郎の出来損い見たようだ。なぜ帯をしめて出て来ん」

「これで悪るければ買って下さい。宿場女郎でも何でも盗られりゃ仕方がないじゃありませんか」

「帯までとって行ったのか、苛い奴だ。それじゃ帯から書き付けてやろう。帯はどんな帯だ」

「どんな帯って、そんなに何本もあるもんですか、黒繻子と縮緬の腹合せの帯です」

「黒繻子と縮緬の腹合せの帯一筋――価はいくらくらいだ」

「六円くらいでしょう」

「生意気に高い帯をしめてるな。今度から一円五十銭くらいのにしておけ」

「そんな帯があるものですか。それだからあなたは不人情だと云うんです。女房なんどは、どんな汚ない風をしていても、自分さい宜けりゃ、構わないんでしょう」

「まあいいや、それから何だ」

「糸織の羽織です、あれは河野の叔母さんの形身にもらったんで、同じ糸織でも今の糸織とは、たちが違います」

「そんな講釈は聞かんでもいい。値段はいくらだ」

「十五円」

「十五円の羽織を着るなんて身分不相当だ」

「いいじゃありませんか、あなたに買っていただきゃあしまいし」

「その次は何だ」

「黒足袋が一足」