轻松读懂日语经典作品
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うそアつかねえ
嘘アつかねえ
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1950(昭和25)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,523 字 · 24 页
と念を押した。
「がきは三人よ、みんな可愛い畜生だ、可愛い畜生だが、暮しは楽じゃあねえ、楽じゃあねえさ、こちとら人足の日雇銭にまで、お上の運上が掛るッてんだから、文句を云うわけじゃあねえが、お上ッてってもどんな心持でいるものかさ」
信吉が「やなぎ屋」へゆくのは不規則で、三日も四日も続けさまにいったり、十日も二十日もゆかなかったりした。しかしまる二年近くも通っているのだから、もう馴染という感じになってもいい筈であるが、爺さんには少しもそんなふうはなかった。いつも初めてはいったときと同じ態度で、べつにおあいそも云わず親しむようすもない。そしてこちらでも、――まえにいったとおり、――客がいつも新顔ばかりで、二度三度と会うような者はめったにないから、しぜん馴染の店という感じはもてなかったのかもしれない。だが、そのなかで松という男は、幾たびか顔の合った例外の客の一人であった。
二度めは暑い季節だったろう。蚊いぶしの煙が葭簾の隙間から条のようになって外へながれ出るのを、信吉はぼんやり眺めながら、いつもの隅の場所に腰掛けて、飲んでいた。松は彼のゆくまえに来て、もうだいぶ飲んだのだろう、もつれるような舌で頻りにきえんをあげていた。