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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
国枝史郎『国枝史郎歴史小説傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤げっと 支那あちこち、印度の詩人、今昔茶話、支那の思出、世界の裏、全体主義、独逸の範とすべき点、日本上古の硬外交、秀吉・家康二英雄の対南洋外交、ヒトラーの健全性、ローマ法王と外交。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,334 字 · 121 页
六 ウエルスの予言
六 ウエルスの予言
H・G・ウエルスは、現代英国の文豪というよりも、世界の文豪であることは、周知のことであり、その彼の科学小説が、単なる科学小説にとどまらず、宇宙の将来を予言している「予言文学」であることも、周知のことである。
僕は、コーナンドイルの探偵小説と、イブセンの戯曲と、ウエルスの科学小説――この三つだけは、全部読んでいる。
そこで、此処では、ウエルスの科学小説のことについて、ほんの寸感を洩らすことにするが彼の『火星人の来襲』の一篇を諸君よしっかりと肚をしめて読んでみたまえ。
それは、現在、独逸が試みて成功を納めつつある「火焔砲」なるものを、ウエルスは、その『火星人の来襲』という小説に於て、二十数年前に百倍千倍にもして予言しているからである。
その小説の筋のあらましは、一人の火星人が、地球へ降りて来て、殺人光線放射器を使い、世界中――地球全部を征服するというのである。
不幸にしてこの火星から地球へ天下った生物は地球の気候や温度の研究におろそかだったため、細菌に食われて死んで了い地球征服は不成功に終ったのである。
ここで注意すべきことは、火星人の持って来たような、あんな発達した殺人光線放射器が発明されたら、まったく、一人で地球を征服することが出来ることである。