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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「あっ、ここから逃げたんだ。鉄筋コンクリートの壁に、こんな大きな穴が開いている。これは、今開けた穴だ。それにしては、この黄いろい煙がへんだ。合点がいかない」

「わかったわかった。もっと奥の方の壁に、穴を開けているんだ。よオし、二人して、とび込もう」

「待て! とびこむのは、あぶない。この穴の開け方は尋常でない。相手はたいへん強力な利器をもっているぞ。とびこんではあぶない」

「だが、もう一息というところだ。では、自分が入る!」

「よせ、あぶないぞ」

「なあに、これしきのこと!」

「あっ、とびこんでしまった!」

と、穴の開き方に、疑いをもらしていた一人の監察隊員は、絶望の叫びをあげた。

それから、更に数分後――

「おっ、この煙は何だ。やや彼奴の声らしい。ただならぬ声だ。さては、やられたか。――おお、そこに足が見える。待て、今、ひっぱり出してやる。うーんと……」

残った隊員は、力を入れて、同僚の足をとって、穴から曳きだす様子!

「ややッこれは……。首が、とけてしまった! やっぱりそうだ。これはたいへん。噂にきいた超溶解弾を使っているらしい。これは危い、すぐ本隊へ知らせなくては……」