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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
そのときは、ぬかりなく、やってくれたまえ。むろん相手には、悟られぬようにな」
X大使は、妙な注文をつけた。私は承知した。
「さあ、それでは……」
と、X大使がいったかと思うと、私は、急に目まいがした……。と、またX大使の声だ。
「おい、しっかりしろ。旗艦ユーダ号の司令長官室だ。今、ピース提督が、ひとりで、この部屋へ戻ってくる。しっかりやれ!」
司令長官室――透明人間
さして広くはないけれど、どこかの宮殿の模型のような、飾りたてた部屋である。
正面にはどっしりした事務机があって、そのうえには書類がひろげ放しになっている。その前には会議卓子があって、周囲には、やわらかそうな皮製の椅子が、十ほど並んでいる。壁には、複雑なパネル型の通信機が、取りつけてあるすばらしい司令長官室だ。
私は、長官ピース提督の椅子に腰をおろして、彼がこの部屋に戻ってくるのを待つことにした。そしてそのついでに、長官の机上に散らばっている書類を、片っ端から拾い読みをしていった。
その書類の多くは電報だった。
それを読むと、米連艦隊は、いま日本を最後の目標として、南方から肉迫せんとしているところだし、他方欧弗同盟は、アジア大陸の日本を北及西から攻撃せんとしており、大東亜共栄圏はもちろんのこと、日本は南北から挟撃されようとしていることがはっきり