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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
――
かく物語る私とは、何者であろうか?
名乗るべきほどの人物でもないが、もう暫く、読者の想像に委せておこう。
哨戒艦隊――テレビジョンに映った影
時間は流れた。
クロクロ島の夜は、いたく更け過ぎて、夜光時計は、今や二十一時を指している。
待っている第三回目の怪放送は、まだアンテナに引懸らないらしい。オルガ姫は、ずっと下に入りきりで報告に上ってこないのであった。
いつもなら、もう疾くの昔にベッドに入る頃だが、今宵は、なかなか睡られそうもない。
久慈から聞いた遂に汎米連邦に動員令が出たとの飛報は、私を強く興奮させてしまった。なかなかベッドに入るどころではない。首を巡らせば、今オリオン星座が、水平線下に没しつつある。私は、暫く、星の世界の俘虜となっていた。
階段を駈けあがってくる足音が聞えた。
オルガ姫だ。
(さては、遂に、第三回目の怪放送が、キャッチされたか)
と、私は、古びた籐椅子から、体を起した。
やっぱり、それはオルガ姫だった。
「大至急、下へお下りになってください。この方面へ、怪しい艦艇が近づいてまいります」
「なに、怪しい艦艇が……」
このクロクロ島のあるところは、各種の航路をさけた安全地帯なのである。