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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「はい」

艇の底は、まもなく、ベトンの上に触れた。微かな反動があった。

「しばらく、ここで休むことにしよう」

私は、ここでしばらく憩い、最前から解き切れない謎を、どうにかして、ここで解いてしまうつもりであった。

さあ、一体、祖国日本は、どうしたというのであろう。

私の観察したところによると、感じからいうと、日本の陸地が、化石になって(陸地が化石になるというのはおかしい云い方だが)、そして海底にしずんでしまったとでも云い現わしたいところだ。

その一方において、富士山がなくなり、その代りでもあるように、紀伊水道が浅くなってしまって、ベトンの壁が突立っているのであった。一体、どういうわけであろう。

わからない。さっぱりわからない。

あの夥しい日本人は、どこへいってしまったであろうか。鬼塚元帥は、どうなったであろうか。

わからない。さっぱり、わけがわからない。

私は、悶々として、二時間ばかり、そこに時間を過ごしていたであろう。

いくら、こうしていても、際限がないので、私は仕方なく、またもう一度、三角暗礁へ帰ることにしようと思った。謎は、ついに解けそうもないのであった。