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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
彼は、どうして、その「お化け地球事件」のことを知ったのであろうか。
いや、それは兎も角としても、もしその放送が、真実をつたえているものであるとしたら、地球は、今から三十年後に、たいへんな変り方をするわけである。
なぜ、そんなことが起るのであろうか。なぜ地球は、そんな風に化けるのであろうか。
これを報告したのは、金星のブブ博士であるという。博士は、三十年後に、地球の表面にあのような変化がおこることを予言したのである。
いや、予言ではない。博士は三十年後の、そのお化け地球を、はっきり見たというのである。
電信の文句の始めが、空電のため、邪魔をされて、文意がはっきりしないが、兎に角、三十年後のことがよく分る器械があるらしい。
察するところ、それは、ウェルズという科学小説家が空想したことのある「時間器械」というような種類のものであるかもしれない。これは油断のならぬ世の中になったものである。
私は、こうして考えているうちに、なんだかその怪放送者が、私の敵であるように思われて仕方がなかった。
つまり、その怪放送者は、自分のところにある「時間器械」らしいものを、ひけらかせ、そのうえ、われわれが現にこうして棲んでいる地球が、三十年後には、不思議なる変り方をするんだぞと、われわれを嚇しているのだ。