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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
「そうか。とうとう、開戦か」
「そうです。またまた世界戦争にまで発展することは、火をみるより明らかです。ああ、今度はじまれば、実に第三次の世界大戦ですからね」
と、久慈のこえは、興奮のあまり、慄えを帯びている。
「一体、汎米連邦には、一切の戦備ができ上っているのかね」
と、私はたずねた。
「もちろんですとも。この二十幾年、汎米連邦は、ばかばかしいほど大仕掛けの戦備をととのえているのです。
近来汎米人以外のいかなる外国人も、入国を許可しませんから従って、どんなに大仕掛けの戦備ができているか、あまり外へは、洩れないのです。しかし、こうして、国内に居る者には、たえず目にふれています。全くばかばかしいの一語につきますよ。
旧北米合衆国のワシントン州のごときは州全体が、一つの要塞のように見えるのです。欧弗同盟国にとっては、相当手強い敵ですよ」
大西洋をはさんで、東に欧弗同盟国、西に汎米連邦――この二つの国家群は、二十余年以来睨み合いをつづけているのであった。
「そうか。今度は、いよいよ本当に始まるのか」
私は、眩暈に似たものを感じた。いよいよ大戦争だ。そして、待ちに待っていた機会は、ついに来たのである。