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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「おお、今、知らせが入りました。――ああ、いけません。この通信が、軍の方向探知隊によって発見されたらしいです。うむ、たしかにこの家を狙っているのだ。監察隊が、サイレンを鳴らしつつ、オートバイに乗って、表通りへ練りこんできました。いや、裏通りにも、サイレンが鳴っている。さあ、たいへんだ……」

私は、おどろいた。心臓がとまったかと思った。ぐずぐずはしていられない。

「おい、久慈、最後の始末をして、すぐ地下道へ逃げろ」

「はい。――おや、地下道もだめです。機銃と毒瓦斯弾をもった監察隊員が、テレビジョンの送像器の前を、うろうろしています。ああ、困った。仕方がない、あれを使います」

「あれを使うか。――いよいよ仕方がなくなったときにつかえ。できるなら、使うな」

「そっちは、大丈夫ですか。この調子では、そっちへも、監察隊が、重爆撃機にのって、急行するかもしれませんですよ」

「こっちのことは、心配するな」

「あッ、来ました。もうだめだ。どうか気をつけてくださいッ!」

久慈の、悲痛なる叫びごえは、そこではたと杜絶えた。通信機の前を彼が離れたのであった。

黄いろい煙――怖るべし超溶解弾