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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
佐藤垢石『垢石釣游記』。同一底本的分册已合并为一书。收入:葵原夫人の鯛釣、青鱚脚立釣、秋の鮎、蛙を食う岩魚、河鱸遡上一考、鯨を釣る、小鰺釣、さしみ、戦場ヶ原の渓谷、早春の山女魚、釣聖伝、釣場の研究、弟子自慢、道具と餌と天候、アンコウの味、夏釣日記、冬の鯊釣、夜の黒鯛、ガラガラ釣。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,298 字 · 100 页
それからまた、同じ場所で井伏君の竿へきた。これは、四十匁のものだ。鮒竿でも、馬鹿にできませんなア、と言う訳で、次第に自信が出て深い流れのなかへ立ち込んで行った。ところで、とうとう井伏君は錘を石の間に挾まれてしまった。竿先へ、力を入れてもなかなかとれない。無理をすれば囮鮎ぐるみ道綸がきれてしまう。
そこへ、私が駈けつけ最後の手段を教えた。僕が竿を持っていてやるから、水のなかへ潜って行って錘をとってき給え。けれど、錘の引っ掛っているところの深さは七尺もあるだろう。それでは、君の背がたたない。富士川の流れは、緩やかに見えても水に力がある。潜った途中で、必ずからだが流される。だから、からだに重みをつける必要がある。それには、二貫目ばかりの石を抱くことだ。右手に石を抱いて、目的のところへ頭を下にして潜るんだ。やれるかな。
決行すると答える。その勇気には感心した。真っ裸になって、大きな土石を抱いた。尻が大きく、腹が出ている。錘が引っ掛っている傍まで歩いて行くと、いきなり頭を下にして潜った。石の重みで、沈んで行くのが澄んだ水に透いて見える。河馬の潜水に彷彿としている。