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だいせんらんごのこくさいへいわ

大戦乱後の国際平和

大隈 重信

民族的僻見の除去「平和時報 第三巻第一〇号」1915(大正4)年10月<br>戦争と平和「平和時報 第三巻第一〇号」1915(大正4)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,219 字 · 11 页

青空文庫

ところが、今度の終局はどうなるか。何方が勝っても、負けたものは非常な打撃だけれども、勝ったものは得るところがあるか。何も得るところはない。今日までは列国共に現代の文明を進め、富の発達を図ったのである。富を蓄積したのである。而して盛んに大学を拵えた。教育そのものが現代の文明、独逸人をして言わしむれば、独逸の文化、日耳曼の文化は優越なものである、その優越なる文化を世界に及ぼそう、世界を侵略して民族的国家を土台として羅馬帝国を造ろう。そこで、国際法学者も、歴史家も、芸術家も、宗教家も、哲学家も皆「ミリタリズム」の渦中に投じて社会と一緒になってかかった。しかしながら、独逸の為すところを見れば、あたかも自己の武器を以て自己の命を叩き潰そうという発狂、瘋癲の境遇である。自己が先祖から伝えられた宝を石の上で叩き壊してしまって、自己の家に火をつけて焼き、最後にその中へ飛込で死ぬという発狂、瘋癲の境遇だ。ちょうど今やっているところはそういう訳である。今後如何になるか知らぬが、独逸が勝ったとしても、優秀な人間は死んでしまって、後に残る民は破壊されてしまう。縦し多少得るところがあっても、失ったところの十分の一も補うことは出来ない。