轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

中里介山『大菩薩峠4』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 页

青空文庫

神尾主膳の一派は最初から能登守を忌み嫌うて、これが排斥運動を企てつつあることは、能登守も知らないではありませんでした。けれどもそれは能登守が決して相手になりませんでした。相手にならない者に喧嘩を売りかけることもできません。

甲府に来て以来の能登守は、政治向きのことにはほとんど口を出しませんでした。旧来の組織に一を加えようとも二を引こうとも何ともしませんでした。支配は先任の太田筑前守の為すがままで、自分はただ調練と大砲の研究ばかりやっていました。それですから、かえって無能呼ばわりをされようとも、出過ぎた仕事は一つもしていませんでした。それ故に神尾主膳らが、能登守を忌み嫌うというのも単に感情の問題のみで、仕事の上では嫉視を受けるような成功もしなければ、弾劾を受けるような失態もしていませんでした。

名は勤番支配というけれども、実はその見習いのような地位に甘んじて、能登守は別にその新知識を振り廻したり、冴えた腕を振おうとしたりしませんでした。家来の若い武士はそれを物足らず思って、多少は献策をしたりすることもあったけれど、能登守は、さっぱりそれを用いてみようという模様がありません。