轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页

青空文庫

しかし艇員が出入に防音扉をあけるごとに、轟々たる発動機の音が、あらゆる話声をふきとばしてしまう。だが、なんという穏やかな空の旅であろう。

それから一時間たった。

艇は、針路を南東にとって、一路マニラにむけて飛行中であった。すでに陸地はとおくに消えてしまって、真青な大海原と、空中にのびあがっている入道雲との世界であった。その中を、飛行艇サウス・クリパー機は翼をひろげ悠々と飛んでゆく。

「艇長、本社から無電です」

「なんだ、ニューヨークの本社からか。ほう、これは暗号無電じゃないか、なにごとが起ったのか」

艇長は、しばらく黙っていた。暗号を自分で解いているらしかった。

「事務長をよべ」艇長の声は、甲高い。

「艇長、お呼びでしたか」

「うん。本社からの秘密無電だ。えらいことになったぞ。これを読んでみろ」

「はい」事務長は電文を読みだした。

「貴艇内に、共産党員太平洋委員長ケレンコおよび潜水将校リーロフの両人が乗りこんだ。監視を怠るな。マニラにて両人の下艇をもとめよ。あとの太平洋飛行は危険につき、当方より命令するまで中止せよ」

事務長の顔は、真青になった。

艇長ダン大佐の眉に心配の皺がよった。