轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めおとのあさ
夫婦の朝
山本 周五郎
「婦人倶楽部」大日本雄辯會講談社、1941(昭和16)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,008 字 · 22 页
「貴方はあんな、子供時代の戯れを」
「子供の戯れだと云うんですか。なるほど、そうかも知れないな、末は夫婦と誓いながら平気で加納へ嫁入ったくらいだから、貴女は一時の戯れかも知れない、然し拙者はそうは思っていませんよ」
「わたくし末は夫婦などとお誓いした覚えはございません、それは貴方のお間違いです」
「誓いの有無は水掛け論だ、此処で幾ら論じたところで埓の明くことではない、然し一応お断りして置きますが、拙者はただ昔の思い出だけで物を云っているのではありませんよ。……斯ういう品を肌身離さず持っているんだから」
新五郎はふところから、ひと束の古い封書を取出して其処へ置いた。
「…………」
「どんな文字が書いてあるかは、貴女がよく御存じだろう」
「…………」
「お由美どの」
新五郎は初めてにやりと冷笑した。
「拙者は困っている、五十両の金が是非とも入用なのだ。昔の恋人がこんなに困窮しているのだから、五十や百の都合はして下さるのが人情じゃありませんか」
「…………」
「貴女がどうしても出来ないと仰有るなら、この手紙を持って加納を訪ねるだけです。……加納は筆頭留守役、妻の昔の恋文なら五十両が八十両でも買って呉れるでしょう」