轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

からすうりのはなとが

寺田寅彦随筆集 第三巻

寺田 寅彦

寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第三巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:からすうりの花と蛾、火山の名について、日常身辺の物理的諸問題、量的と質的と統計的と、物理学圏外の物理的現象、ロプ・ノールその他、青衣童女像、カメラをさげて、連句雑俎、ラジオ・モンタージュ、青磁のモンタージュ、読書の今昔、映画の世界像、「手首」の問題、映画雑感(Ⅰ)、生ける人形、映画芸術、音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」、俳諧の本質的概論、夏目漱石先生の追憶、田丸先生の追憶。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 页

青空文庫

しかし手首の柔らかいということは無節操でもなければ卑屈な盲従でもない。自と他とが一つの有機体に結合することによってその結合に可能な最大の効率を上げ、それによって同時に自他二つながらの個性を発揚することでなければならない。

孔子や釈迦や耶蘇もいろいろなちがった言葉で手首を柔らかく保つことを説いているような気がする。しかし近ごろの新しい思想を説く人の説だというのを聞いていると、まさしくそれとは反対でなければならないことになるらしく見える。なんでも相生の代わりに相剋、協和の代わりに争闘で行かなければうそだというように教えられるのであるらしい。その理論がまだ自分にはよくわからない。

三つの音が協和して一つの和弦を構成するということは、三つの音がそれぞれ互いに著しく異なる特徴をもっている、それをいっしょに相戦わせることによってそこに協和音のシンセシスが生ずる。しかしその場合の争闘相剋は争闘のための争闘ではなくて協和のための争闘である。勝手な音を無茶苦茶に衝突させ合ったのではいたずらに耳を痛めるだけであろう。

バイオリンの音を出すのでも、弓と弦との摩擦という、言わば一つの争闘過程によって弦の振動が誘発されるとも考えられる。