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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

私が尋常六年頃から新体詩や小説を読み耽るようになったのは、そんな悲しさや淋しさが積り積ったせいではなかったかと思います。つまり私は皆様のお蔭で、人並はずれて早くから淋しい、一人ポッチの文学少女になってしまったのでしょう。

県立女学校に入ってからは、そんなに露骨な侮辱を受けませんでした。けれどもそこにはモットモット深刻な恥辱と嫌悪が私を待っておりました。

同級のうちでも私と正反対に一番美しい、一番よく出来る、或るタッタ一人を除いたほかの人々は、先生も同級の人達もみんな私に優しい言葉一つかけて下さいませんでした。みんな妙に私から遠くに離れて、奇妙な、冷たい笑い顔をして、私を見ておられるように感じました。御自分たちの御綺倆と、学校の成績ばかりを一所懸命に争ってお出でになる方には、私が何となく劣等な、片輪者のように思われたのでしょう。私とお話なさるのを一種の恥辱か何ぞのように考えておられるようでしたが、それでも対抗のテニス、バレーボール、ランニングなぞが近付いて来ますと、先生も級友も、上級の生徒さんまでもが皆、私の周囲に寄ってたかってチヤホヤされるのでした。