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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

「そればかりじゃないのよ。その横顔をタッタ一目見ただけで、ヒドク貧乏臭い、ミジメな家の娘の風付きに見えたのよ。お婆さんじみた猫背の恰好になってね。コンナ風に……」

「怪談怪談。妖怪エー……キャアッと来そうだね」

「冷やかしちゃ嫌。真剣の話よ。つまり平常はお化粧と気持で誤魔化して若々しく、無邪気に見せているんでしょうけど、誰も見ていないと思って考え込んでいる時には、スッカリ気が抜けているから、そんな風に本性があらわれているんじゃないかと思うのよ」

「ウップ。大変な名探偵が現われて来やがった。お前、探偵小説家になれよ。キット成功する」

「まあ。あたし真剣に言ってんのよ。自烈たい。本当にあの人、気味が悪いのよ」

「そう言うお前の方がヨッポド気味が悪いや」

「憎らしい。知らない」

「もうすこし常識的に考えたらどうだい。第一、あの娘がだね。姫草ユリ子が、何の必要があってソンナ骨の折れる虚構を巧謀むのか、その理由が判明らんじゃないか。今までに持ち込んで来たお土産の分量だって、生優しい金高じゃないんだからね。おまけにおりもしないモウ一人の白鷹先生を創作して、電話をかけさせたり、歌舞伎に案内させたり、カステラを送らせたり、風邪を引かしたり、平塚に往診さしたり、奥さんを三越の玄関で引っくり返らしたりなんかして……作り事にしては相当骨が