轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

「毎日新聞」毎日新聞社、1949(昭和24)年11月16日~1950(昭和25)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 83,234 字 · 160 页

青空文庫

その五

いはねばこそあれ恋しきものを

と、走り書きをして、小さく畳んで、不意に何処からか左大臣の車の側に現れ、下襲の尻を簾の中へ押し込むのと一緒に、人知れずそれを北の方の袖の下へ挿し入れたのであった。

その五

国経は、北の方を乗せた時平の車が供の人数を従えて去って行くのを見送ったまでは、幾分か意識がはっきりしていたけれども、車の影が見えなくなると、俄かに緊張が弛んだせいか、内攻していた酔いが発して、勾欄のもとにくた/\とくずおれてしまった。そしてそのまゝ簀子の板敷に倒れ伏して寝入りかけたのを、女房たちが扶け起して寝所へ連れて行き、装束を脱がしたり、床に就かしたり、枕をあてがったりしたのであったが、当人は一切前後不覚で、それきりぐっすりと一と息に眠った。が、およそ何時間ぐらい過ぎた時分か、へんに襟もとがうすら寒く、何処からか蓐の中へすう/\風が入り込むようなので、ふと眼を覚ますと、もう閨の中がしら/″\と暁に近いほの明るさになっていた。国経はぞっと身ぶるいをして、なぜこう今朝は寒いのか、自分は何処に寝ているのか、此処はいつもの自分の寝所と違うのか、―――と思いながら、そこらあたりを見廻すと、眼に触れる帳や蓐や、それらに沁み着いている香の匂や、すべて朝ゆう馴染の深い我が家の閨であることは疑うべくもないのであったが、一ついつも