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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

フハンのほえ声はだんだん近くになる、ボートと平行してくだってくるのだ、一同は緊張した。

ポカリと川霧を破ってボートがあらわれた。

「万歳!」

と川岸の四人がさけんだ。

モコウのたくみな操縦でボートが岸についた。

「お帰り!」

とゴルドンが富士男の手をにぎった。

「兄さん、ああ肩に血が?」

と次郎がさけんだ。

「ああ、なんでもないよ」

「次郎君、その傷は僕の一命を救ってくれた尊い血なんだ、ぼくはみなに心配をかけた、すまない、ゆるしてくれたまえ」

とドノバンが頭をたれた。

「ぼくらをゆるしてくれたまえ」

とグロース、ウエップ、イルコックが同時にさけんだ。

わずか数日のあいだの分離に、かれらの顔はいたましくやつれ、衣服は破れよごれている、雨に打たれ、風にさいなまれ、恐怖と不安の艱苦をなめたのだ。こう思うとゴルドンは四人がいとしかった。

「ゆるすもゆるさんもないよ、ぼくらがあまり仲がいいので、悪魔がちょっといたずらをしたのだ、ぼくらはいま完全に一致した、以前に倍した和合協力をもって敵にあたろう」

とゴルドンの手をとった。

新しい感激の涙が、四人のほおを伝わった。太陽が森のはしにあがった、光の箭が少年連盟を祝福するかのように、河畔の少年を照らした。