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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页
そのかんじは、一見、無造作で、何の屈託もないような豪放闊達な印象にみちみちてはいたが、しかし、よく観察すると、一挙一動に意識的な誇張があり、微妙で神経的な技巧がかくされていた。
これも、私一人だけの記憶をかすめる印象ではなく、一種のスタイルを否定したスタイリストというかんじが、ほかの学生たちの眼にも映っていたらしい。
それは、しかし、決して、作為に終始するかんじではなく、むしろ、知性のもつ独特の生活態度をそのまま反映しているというかんじでもあった。
そういう日常生活の習性においても、永井と中野とは、まったく対蹠的だった。スタイリストという意味をもってすれば、永井は自ら、自分にふさわしいスタイルを考案し、それがために応接室の一隅に大鏡をおいて、一つ一つ効果をたしかめようと試みたことさえあるくらいだから、悠揚迫らざる演説の抑揚や、ゼスチュアまで、ことごとく完備した型を持っていたが、しかし、それにもかかわらず、どこかに穴のあいたような気楽なところがあり、そこに自ら巧まざる親和力が、ひとりでに、かもしだされていたように思われる。
いずれにしても、大正九年、四十三議会における、この二人の若き政治家の登場ほど、はなやかなものはなかった。