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やまのかみさつじん
山の神殺人
「講談倶楽部 第五巻第一〇号」1953(昭和28)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,014 字 · 21 页
「イエ、オレが法力で落してみせる」
「キサマ、影ぐらいしか見えないくせに、大きなことを云うな。オレにはチャンと見えているのだが、それでもどうすることもできないのだぞ。こう執念深くガッチリくいこんでしまっては、もう普通では落すことができないものだ。ヤ。待て、待て」
平作は袖でチョウチンの火を隠すようにしながら、ジイッと聞き耳をたてていたが、
「フン。どうやら、ソラ耳であったらしい。死神や狐は疑り深いから、近所で相談していると、すぐカンづいて、足しのばせて立ち聞きにくるのだ。大声をたてると悟られるから、お前らモッと前の方へ寄ってこい。チョウチンの火があるとグアイが悪いから、火を消すが、お前ら片手をだせ。めいめいの片手を握りあって、心を合せて相談しよう。こうしないと、死神や狐が間へはさまって立ち聞きされてしまう。いいか」平作は左手でお加久の片手をとり、右手で兵頭の片手をとった。
「お前らもめいめいの手をシッカリ握り合うのだ。まちがって死神や狐の手をつかまされないように、チョウチンの火のあるうちによーく改めて確めるがよい。火が消えてからは、どんなことがあっても手をはなしたり、握り変えたりしてはならぬ。