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いけぶくろのみせ
山之口貘詩文集
山之口 貘
山之口貘『山之口貘詩文集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:池袋の店、沖縄帰郷始末記、おきなわやまとぐち、声をあげて泣く、詩とはなにか、装幀の悩み、つまり詩は亡びる、夏向きの一夜、野宿、暴風への郷愁、私の青年時代、ダルマ船日記、チャンプルー。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,477 字 · 93 页
装幀のことについてはいろいろと迷ってしまった。誰かに頼んでも、万一、本になって自分の気にいらないものになっては、見るたんびにいやなおもいをしなくてはならないわけだと、最悪のことばかりが気になったのである。そこで、自分で責任を負うことにして、たとえ失敗しても自業自得ですませたく、人のせいにはしなくともすむように自分の考えで装幀したのである。表紙の色は、朱のつもりなのであったが、赤になってしまった。自業自得である。唐獅子の絵は兄に描いてもらった。朱は、ぼくの郷愁の色である。那覇の朱い屋根屋根には、漆喰の唐獅子が住んでいたからなので、云わば郷愁で装幀をしたわけなのである。兄は無名の画家で、小学校の教師をしていた。『思弁の苑』が出たとき、まっさきによろこんでくれたのはその兄で、かれは父や母に対しても、ぼくのことをかばったり鞭撻したりしていたからなのである。それに、序詩、序文の佐藤春夫、金子光晴の両氏に並べて、表紙絵を山口重慶として兄の名を記しておいたので、有名人と名を並べられたことに兄は非常に名誉を感じていた。
昭和十五年の十二月に、山雅房から『山之口貘詩集』