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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

在线阅读柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 页

青空文庫

神送りの起原

た。すなわちちょうど出雲の方角へ、次にはまた出雲の方角から、吹いて行きまた吹いて来る大きな風であり、これによっていよいよ父祖以来の言い伝えの、確かであることを感じていたかと思われる。まだ実地に確かめてはいないのだが、この風は多分船路に便な、雨雪を伴わない晴れの風であったろう。

ところが鳥取県の八頭郡などで、神返しというのは十月の二十五日で荒れ日であった。美濃の揖斐郡の山村では、十一月の三日が、氏神の出雲から還りたまう日であって、お神楽荒れと称して天気がよく荒れる。風の方角は必ずしも問わなかったろうが、風雨を冬の祭の兆候としたことは、あるいは神々の遠くへ旅をなさるという信仰を固め、従ってまたある一つの地方のそういう信仰が、宣教者以上の感化を四近の地に、与えたということもないとは言われまい。

神送りの起原

村々の社の神が、遠い出雲の国へ旅をなさるという言い伝えは、いつの頃どういう風にして始まったろうか。これは学問の上からも大切なまた興味の深い問題である。何となれば中古数百年間の常の人の精神生活、すなわち書いたものに少しでも現われていないことが、この方面から追々に、わかって来る望みがあるからである。