轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんれいのいだくきんかい

心霊の抱く金塊

大倉 燁子

「東京朝日新聞」1935(昭和10)年9月23~24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,344 字 · 5 页

青空文庫

何も知らない探検家達は、この素晴しい宝物を自分が発見したのだと思うから、いきなり手をかけようとする、と、忽ち見えざる人霊の怒りに触れ、気狂いにされたり、命をとられたりする。私は洞窟の闇に霊と対坐して、彼等の希望を訊いてみたのだが、と云っても、直接話をすることが出来ないから、霊媒をトランス状態に入らせて、彼の口を通して言を伝えてもらったのだ。

あるときが来たら、金塊を是非私に使ってもらいたい、と彼等は云う。あるとき、それはここ十年の間には来るそうだが――とにかく、それまでは絶対に手を触れる事を許されない、厳重に彼等が監視しているのだから、人間の力ではどうにも仕様がないのだ。しかし五億万円の金塊がある事だけは確だ、もし嘘だと思う者があるなら、いつでも証拠を見せる、金塊ばかりではない、立派な甲冑なども沢山あるそうだ、それ等は段々と調べて行く積りである。皆さんの中で行って見たい人があるなら、私が案内して上げよう、但し慾を出すことは厳禁だよ、が、それも今年はもう駄目だ、秋も中頃となっては寒くて行かれないから、来年お伴をしよう」

二百何十人もの命を奪った五億万円の金塊! 何という恐ろしい魅力であろう。