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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
「そいつはいいことを聞いた。ではこれからいって探してみようじゃないか」
二人は砂丘のかげからとび出すと、どんどんかけだし、昨日一彦とミチ子が遊んだ浜辺へやって来ました。
さいわい昨日は風も弱くて砂をとばさず、またそこは湿った砂地でありましたので、一彦の作った鍵の型は、あちこちにのこっていました。
「うむ、しめた。これなら合鍵が作れる!」
帆村は大喜びで、一彦の手をぐっと握りしめました。
4
帆村探偵と一彦は、一歩一歩怪塔の入口に近づきました。そしてもう一歩で、入口の扉に手が届くというところまで近づいたそのときでありました。突然あたまの上から、破鐘のような声がおちてきました。
「こーら、誰だ。また二人づれで来やがったな」
その声は、あまりに不意であり、そして大きかったものですから、こちらの二人は思わずその場に木のようにかたくなってしまいました。
「ねえ、おじさん、どうしよう」
「うむ」
帆村は唸るばかりでありました。
するとつづいて、塔の上からまた破鐘のような声がひびいてきました。
「まだぐずぐずしているのか。まごまごしているとこんどは本当に毒ガスをひっかけるぞ」