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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

ロケットの入口は、開いていました。

そのとき、中から、四五人の黒人や、ルパシカを着た東洋人らしい男が出て来ましたが、兵曹長を見ると、びっくりした様子で、腰のピストルをとりだそうといたしました。

「待て」

と、兵曹長は声をかけました。

「撃つのはいいが、撃てばその前に、俺はこの怪塔王の生命を取ってしまうがいいか」

といって、お先まわりをして、怪塔王から奪ったピストルをさしむけました。

これを見て、敵どもは二度びっくりです。怪塔王の生命は、兵曹長にしっかり握られているのです。うっかり撃てません。

4

「さあどうだ。撃ちたくても、これでは撃てないだろう。この辺で、おとなしくお前たちも降参したがいいぞ」

小浜兵曹長は、大音声をはりあげて、叫びました。兵曹長は、この大きな声が、帆村探偵に通じるであろうと思いました。もし通ずれば、彼はすぐさまここへ飛ぶようにして出てくるであろうし、そして、どんなにか喜ぶだろうと思ったのでありました。

だが、どうしたものか、帆村探偵の姿は一向現れてまいりません。

(帆村探偵は、どうしたんだろうか?)

兵曹長は一向合点がいきませんでした。