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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

博士、われわれはあなたが怪塔王のために、殺されたこととおもっていました」

そういいながらも、兵曹長はじっと博士の顔から眼をはなしません。

「そうおもうのも無理はない。なぜか怪塔王は、わしが死んだように見せたかったのだ。わしは、とつぜん研究室にとびこんできた怪塔王たちにつかまり、この島へつれてこられたのだ。そしてあの洞窟のなかにとじこめられ、ひどい目にあっていたよ。さっき帆村探偵にすくわれ、こんなうれしいことはない。しかしよく聞いてみると、君が飛行機でこの島へとんでこなければ、このような勝利は得られなかったとのことだ。いや、お手柄じゃ、お手柄じゃ」

と、大利根博士はしきりに小浜兵曹長をほめます。博士にほめられて、小浜兵曹長は、わるい気がしませんが、あぶないあぶない、博士の眼がきょろきょろ。

5

怪塔ロケットの中です。

小浜兵曹長は、秘密艦隊との連絡をおえて、ほっと一息というところ。そこへ思いがけなく大利根博士がたずねてきたので、よろこびが二重にふえました。兵曹長は、まさか大利根博士が、あのおそろしい怪塔王だということは知りませんから、大利根博士を心の中に信じきっています。