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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
そういいすてて、帆村探偵はすぐ走りだしました。
「おい、帆村君、待て」
とさけんで、そのあとを追いかけたのは小浜兵曹長でした。
「君ばかりはやらぬ。俺も共に行く」
そういっているときでありました。天の一角に、ぶうんと怪しい物音。まるで腸をかきまわすようなその怪しい音は、まさしく怪塔ロケットがこっちへ飛びもどってきたらしいのです。塩田大尉ははっとして、
「おい、小浜兵曹長、それから帆村探偵もこっちへかえれ、もう丘の上へ行っているひまがない。早く飛行機にのれ。おい、はやくこっちへ帰ってこい」
と、さけびました。
大尉の命令がでたのですから、もう仕方がありません。二人とも廻れ右をしてかえってきました。
「あれをみよ。怪塔ロケットがこっちへ近づくぞ。はやく飛行機へのりこめ。下手をすると、滑走しているうちに、この島が爆破するかもしれない」
塩田大尉の命令一下、全員は攻撃機にのりこみました。小浜、帆村の二人は、二番機に席をあけてもらって、そこへ乗りました。プロペラは廻る。三機の攻撃機は、編隊もあざやかに地上を滑りだしましたが、そのとき怪塔ロケットのびっくりするほど大きな姿が目の前にありました。