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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

あたしが男だったら、怪塔王のあとを追って、兄さんたちを救いだしにいくのですけれど――」

塩田大尉も目をしばたたき、ミチ子の頭をやさしくなでながら、

「ミチ子さんは、そう心配しないがいいですよ。私たちがきっと探しだします。本艦をこんなひどい目にあわせたのもどうやら、ミチ子さんのいう怪塔王の仕業のようですから、これはどうしても私たちの手で怪塔王征伐をしなければならないと思います。しかしながら、あの怪塔王は、私たち専門家が考えても不思議でならないほどの恐しい武器をもっているのです。ですから、これを征伐するにしても、なかなか研究をしてかからねばなりません。そこで私たちは、艦長などとも相談の結果、日本一の大科学者といわれる大利根博士に来ていただくことにして博士のお智恵を借りることにきめたのです。博士に来ていただけば、必ず怪塔王征伐のいい方法がみつかるにちがいありません」

6

大利根博士は、日本一の科学者でありましたが、また日本一の変り者でもありました。博士はいつも地下室の研究所にたてこもっていて、なかなか外へ出て来ません。誰かがたずねていっても、よほど機嫌のよい時でないと、顔を見せません。