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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

それから写真機を出して、その部分をいちいちていねいにうつしました。

それがすむと、博士はどこに隠しもっていたのかへんなかたちの鋏をとりだし、鉄でできた通風筒をまるでボール紙をきるかのように、ざくざくざくと切りとりました。

「まあ、よく切れる鋏だこと」

と、ミチ子は、そばからみていて、感心していいました。

すると大利根博士は急にふりかえって、怒ったような顔をしました。

「どうも女の子は、お喋りでいけない」

ミチ子は博士のじゃまをしたので怒られたのだなとおもい、べそをかきました。

すると、そのときミチ子のうしろから、大きな手がちかづいて、その頭をやさしくなでました。

ふりかえってみますと、それは塩田大尉の手でありました。

怪塔はどこ?

1

ミチ子は、軍艦淡路の上で、しきりに妙なことをやって研究をしている大利根博士を、たいへんこわい人だとおもいました。

しかし博士は、ミチ子がなにをおもおうと平気の平左で、なにかさかんに口のなかでぶつぶついいながら、艦内をあるきまわっていました。

検察隊長の塩田大尉は、博士の前にすすみよって、

「大利根博士、あなたはあの怪塔ロケットが、このようなひどいことをやったのち、どこへ行ってしまったとお考えですか」