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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
博士は、ぎょろりと、近眼鏡のなかから眼をひからせ、
「うん、そのことなら、大体見当はついていますわい。やはり、どこか人気のないところでしょうな。海岸とか、山の中とか、そういうところですね」
「博士は、それをはっきり探しあてるにはどうすればよいとお考えですか」
「それはやはり、怪塔の科学者が、このように軍艦の鉄板などをどんな力でとかしたか、それを調べるのが先ですな。それがわかれば、その怪力に感ずる、例えば受信機のようなものを作って飛行機にのせ、空中をとびながら、怪力の強くなる方角へとたどっていけば、きっと怪塔のあるところへ行きます」
「なるほど、それはいい方法ですね。するとこの怪力を博士に調べていただかねばなりませんが、何日ぐらいかかりますか」
「さあ、そいつはよくわからんが――」といって、大利根博士は額にしばらく手をあてていましたが、
「まあ、この通風筒の鉄板などをもってかえって、できるだけ早く調を終えることにしましょう。じゃあもう帰りますよ」
「博士、もうおかえりですか」
「こんな落ちつかぬところじゃ、いい考えも出ませんよ。はい、さようなら」
そういって、大利根博士は後をふりむきもせず、すたこら帰っていきました。