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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

ただいまも、一生懸命にさがしているところであります」

と言って来ました。

「そうか、無電を打ってこないとは心配だ。空中へのぼれば、無電は一層大きくきこえるわけだから、むこうで無電を出せば、きこえない筈はないのだ」

と、そう言っているうちに、とつぜん小浜兵曹長が、おどろいたようなこえをあげ、

「あっ塩田大尉、はいりました、はいりました。たしかに例の怪電波です。たいへん大きくきこえます。こんどは符号もよみとれそうです」

「それはすてきだ。しっかり無電をうけろ」

さて怪塔からの無電は、どんな意味のことを放送しているのでしょうか。塩田大尉は胸をおどらせて、小浜兵曹長の報告を待っていました。

2

機上に、ふたたびきこえはじめた怪電波をじっときき入るのは、小浜兵曹長でありました。

ト、ト、ト、ツート。

ト、ト、ト、ツート。

「ふむ、分るぞ分るぞ」

と、兵曹長は片手で受話器を耳の方におさえつけ、一字ものがすまいと、まちかまえていました。

すると、いよいよ怪電波は、通信文をつづりはじめました。

さあ、なにをいってくるのか?

「――カイトウオウトワボクセヨ、ホムラ」