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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

老博士はと、振かえると、かれもまた勇敢に、タラップを登ってくる。中甲板には、五つの屍骸が、ごろごろしていた。

「あッ!」あまりの恐ろしさに、おもわず叫んだ。

「博士! あの生々しい屍骸をごらんなさい」

「なるほど、三ヶ月も経過して、生々しい屍骸が横わっているとは奇怪だ。まさしく幽霊船かな」

「博士、あれに倒れているのは、安南人の大男です。ごらんなさい。その男の胸が抉られています」

「なるほど、……惨酷なことをしたものだな。亡霊の仕業かな」

「あッ! 博士。僕の味方が、やっぱり倒れています。船長附のボーイ、陳君です」

「おお、あの少年が、陳君というボーイかい。無惨な屍骸となって横たわっているではないか」

僕はつかつかと駈けて往って、陳君の屍骸を抱き起そうとすると、突然、どこからか

「待て、その屍骸に触れてはならぬぞ」不気味な声。

僕は、おどろいて振かえると、いつのまにか、僕の背後に、白衣の白髪の怪老人が立っていて、右の人差指を突付け、物凄く、歯のない口をあけて笑った。

「あッ、おまえは、亡霊だな」立ち上って、身構えた。

「ハハハハハ。亡霊を退治に来たというのかい。なるほど、それもよかろ。