轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井不木『怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三つの痣、暴風雨の夜、秘密の相似、卑怯な毒殺、鼻に基く殺人、初往診、呪われの家、猫と村正、肉腫、謎の咬傷、血の盃、人工心臓、新案探偵法、死の接吻、好色破邪顕正、血友病、狂女と犬、犬神、遺伝、按摩、ある自殺者の手記。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 196,140 字 · 396 页
人工心臓の発明ということに就ては、これまで多少考えて見た学者もあるかも知れませんが、肺臓を瓦斯交換の仕事から解放することによって、食物を非常に節減出来るだろうと考えた人は恐らく私が始めてであろうと思いますから、それに就て一言申し上げて置くことにします。
五
かねて私は、空気の中に大量の窒素が存在することに就て不審を抱いて居りました。実に窒素は空気全量の五分の四を占めて居りまして、而も人類の生存に取っては何の利益もないと考えられて居ります。すべて物ごとを目的論でもって解釈するのは危険かも知れませんが、私はこの空気中の窒素も酸素と同じく人類の生存に役立つものであるに違いないと思ったのです。同じ空気の中の酸素が、人類の生存に一刻もなくてはならないのに、酸素の四倍の量に当る窒素が無意義に人体に出入りして居るということはどう考えて見ても矛盾です。そこで私は、窒素は決して無意義に人体に出入りして居るのではない。無意義だと思うのは、人間が窒素の価値に気がつかぬに過ぎないのだと考えました。
御承知の通り、人体の最も肝要な組織を構成して居る化学的物質は蛋白質です。