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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
蘭郁二郎『怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像』。同一底本的分册已合并为一书。收入:足の裏、穴、息を止める男、腐った蜉蝣、幻聴、孤独、舌打する、植物人間、蝕眠譜、自殺、鉄路、脳波操縦士、古傷、鱗粉。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 页
『いや、ほんとうだよ。でも僕は命なんか惜くないと思ってるんだ――といきなりいったって、君には解ってくれまいけど』
『どんなわけなんだ一体、はじめからいってくれ給え……』
『うん……』
黒住は軽く咳き込むと、すぐ続けた。
『実は、いま人間は眠らないでも、いいという実験をしてるんだ……』
(この男、気が狂ったのではないか――)
私は、しげしげと彼の顔を見直した。
『そういったって、君は信じてくれないだろうけど、これは実際なんだ、現に実験中なんだ』
『君。バカなことをいっちゃいけないぜ、しっかりしてくれよ、一晩徹夜したって疲れてしまうのに、眠らないでいられるもんか――』
(バカバカしい) 私は吐出すようにいった。
『いや』 黒住は、平然と続けた、
『君、そんなことをいうのは認識不足だよ、一寸例をとれば――ほら君自身だって経験があるだろう、四月までは八時半始業だった学校が四月からは八時になる、三十分早くなれば三十分早く起きればいい、それは二三日つらいけど、すぐ馴れちまう、それだよ、この習慣というやつを利用するんだ、これなら出来るだろう――』
(それはそうさ、三十分位――)
『それを考えたら出来る筈じゃないか、あしたは今日より三十分早く起きる、そのあしたは又三十分早く起きる――といったって、毎日三十分ずつ早く起きたら溜らないから十分位