轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あくりょう

悪霊

江戸川 乱歩

「新青年」博文館、1933(昭和8)年11月~1934(昭和9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,980 字 · 67 页

青空文庫

彼はこの記号について、何事かを知っているのだ。

「エエ、間違いはない積りです。ですが、あなたは、それに見覚えでもあるのですか」

「待って下さい。そして、その紙切れはどんなものでした。紙質や大きさは」

「丁度端書位の長方形で、厚い洋紙でした。警察の人は上質紙だと云っていました」

園田氏の眼鏡の中のふくれた眼球が、一層ふくれ上って来る様に見えた。青い顔が一層青ざめて行く様に見えた。

「どうしたんです。この記号の意味がお分りなんですか」

僕は詰めよらないではいられなかった。

「実は知っているんです。一目見て分る程、よく知っているんです」

彼は正直に打開けてしまった。

「フン、そいつは、耳よりな、話ですね。ドレ、僕にも、見せてくれ給え」

熊浦氏も自席から立って来て、手帳を受取ると、記号の頁を眺めていたが、

「こりゃ、わしには、サッパリ、分らん。だが、園田君、この記号を、知って、いるからには、君は、犯人が、誰だと、いうことも、見当が、つくのだろうね」

と、まるで裁判官の様な調子で尋ねる。

「イヤ、それは、そういう訳じゃないのです」

園田氏は、非常にドギマギして、救いを求める様に、キョロキョロと三人の顔を見比べながら、