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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず

憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず

吉野 作造

「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页

青空文庫

明治十八年十二月、時の伊藤伯を首班として初めて今日の内閣制度が出来てより、内閣の更迭を見る事前後約二十回に及ぶが、大多数は皆議会との衝突の結果である。その初め超然内閣主義を主張しておった時ですら、議会の反対に逢ってはその地位を持続する事は出来なかった。当時我が国の超然内閣という意味は、議会に代表者を有する政党より超然として居るという意味で、議会の決議より超然として居るという意味ではなかったらしい。三十年代の半ば過ぎより桂、西園寺互いに交代して政権を握るの慣例を開いてから、今日では、十分政党内閣の主義が貫かれないまでも、しかも議会の多数的勢力と何らかの形において結託せずしては、何人といえども内閣に立つ事が出来ないという形勢に立ち至って居る。我々はますますこの形勢を助長し発達せしめて、政党政治の更に完全なる実行を見んことを期すべきである。この立場より観察して予輩は、時々唱えらるる挙国一致内閣とか、また時々一部の策士によって夢想せらるる人才内閣とかの如きは、たとえこれによって一時好結果を奏することあるべしとしても、憲政の進歩を計る上からは断然これを排斥せねばならぬと信ずる。