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ピッチャーさつじんじけん
投手殺人事件
「講談倶楽部 第二巻第五号」1950(昭和25)年4月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,243 字 · 57 页
しかし、東京へ行くとすれば、第一に、専売新聞、次に商売敵の桜映画会社である。この二つが大資本に物を云わせて、名選手を縦横無尽にひッこぬいている。現に朝日映画のラッキーストライクからも三名ひきぬかれている。
こいつは油断がならないわい、と煙山も充分に心をかためた。
社へ戻ると、大鹿の意向を社長につたえ、又、上野光子が上京して、大鹿売りこみのカクサクをしていることも言い添えた。
「なアに。専売新聞や、桜映画にしたところで、新人投手に三百万だすかい。いいところ、百万だ。ただの五十万でも、ほかの選手から文句がでるだろうぜ」
「しかし、契約の条件によりけりですよ」
「だからさ。最も有利な条件で百万どまりにきまッとる」
「いや、専売新聞に欲しいのは投手です。これは油断ができません。我々に欲しいのも第一に投手。次に三番四番が足りない。もしラッキーストライクに大鹿が加入して、三番にピースの国府一塁手、四番にキャメルの桃山外野手がとれたら、攻守ともに百万ドル。優勝絶対です」
「それは優勝絶対にきまっとる。国府と桃山がとれるかい」
「必ず、とってみせます。百万ずつで、とってみせます。