轻松读懂日语经典作品
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ぬきうちししべえ
抜打ち獅子兵衛
山本 周五郎
「講談雑誌」大日本雄辯會講談社、1940(昭和15)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,930 字 · 24 页
……大名の姫に生れながら、感じ易い年頃に、大きな身上の変動に遇ったので、高貴な眼許のどこやらに、もの怯じをする仔鹿のような表情の現われるのがこのうえもなく可憐である。十五人あまりいる家来のなかで、誰よりも左内がいちばんお気に入りだと云われていた。
「左内は行ってしまうの?」
倫子は顫える眼差しで見上げた。
「倫は知っています。角之進が玄蕃に云いつけたのです。今日、玄蕃が一緒に行って見てきたのだって」
「……存じております」
「どうして左内はそんなことをしたの? 賭け勝負ってそんなにいけないことなの? いけないことを左内がするはずはないわね、倫はそう思っているのだけれど」
「……なんとも、申訳がございません」
「なにか訳があるのね、そうでしょう左内、なにか訳があるのでしょう……?」
倫子はむしろ、縋るような口ぶりだった。左内は苦しげに俯向いたまま、
「お姫さま、左内はお姫さまの家来でございます。無調法で御勘当を受けましたが、身命の有る限り妙泉院さまお姫さまの家来だと思っております……どうぞこう申上げることをお姫さまだけでもお許しください」
「それでは、行ってしまうのね、もう会えなくなってしまうの? 左内」