轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
10 第十分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 页
その眉を見てさえ、池田家の将士は、
「まだ、ご機嫌がお悪いようだ……」
と、かれの気色をおそれた。
勝入の不きげんは、聟の森長可の失敗にあることは、たれも知っている。
その長可が、功にはやって、小牧の敵塁へ、奇襲をしかけたのが、過ちの因で、まだ総帥の秀吉が、この大決戦場へ、着陣もしないうちに、おびただしい序戦の傷手を、味方へ負わせてしまったのである。
数日前。
秀吉は、犬山につき、すぐ布陣にかかって、いまは楽田村に陣しているが、出迎えた勝入父子にも、
(よく犬山を早く陥した)
と、功はほめたが、その功をもっても償いきれぬ、聟の森武蔵守長可の大クロ星について、なにもいわなかった。
云われないだけに、なお、つらいのである。のみならず、味方のうちでは、紛々たる悪評が立っている。池田勝三郎信輝のむかしから、人にうしろ指はさされぬ自負をもって、四十九歳までの武人生活をつらぬいて来た彼として、すくなくも、こんどの名折れは、心外でならないにちがいない。
「之助も来い。三左もここへ来い。老臣どもも、みな寄ってくれい」
本丸の居室に、あぐらを組むとすぐ、かれは、息子の紀伊守之助(二十六歳)や、三左衛門輝政(二十一歳)や、また重臣たちをよびあつめて、