轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あかいろうそく

新美南吉童話集

新美 南吉

新美南吉『新美南吉童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤い蝋燭、ごん狐、狐、おじいさんのランプ、手袋を買いに、最後の胡弓弾き、童話における物語性の喪失。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,131 字 · 96 页

青空文庫

巳之助はむっつりと入口の障子をあけて、通りをながめた。どこの家どこの店にも、甘酒屋のと同じように明かるい電燈がともっていた。光は家の中にあまつて、道の上にまでこぼれ出ていた。ランプを見なれていた巳之助にはまぶしすぎるほどのあかりだった。巳之助は、くやしさに肩でいきをしながら、これも長い間ながめていた。

ランプの、てごわいかたきが出て来たわい、と思った。いぜんには文明開化ということをよく言っていた巳之助だったけれど、電燈がランプよりいちだん進んだ文明開化の利器であるということは分らなかった。りこうな人でも、自分が職を失うかどうかというようなときには、物事の判断が正しくつかなくなることがあるものだ。

その日から巳之助は、電燈が自分の村にもひかれるようになることを、心ひそかにおそれていた。電燈がともるようになれば、村人たちはみんなランプを、あの甘酒屋のしたように壁の隅につるすか、倉の二階にでもしまいこんでしまうだろう。ランプ屋のしょうばいはいらなくなるだろう。

だが、ランプでさえ村へはいって来るにはかなりめんどうだったから、電燈となっては村人たちはこわがって、なかなか寄せつけることではあるまい、と巳之助は、一方では安心もしていた。