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あかいろうそく

新美南吉童話集

新美 南吉

新美南吉『新美南吉童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤い蝋燭、ごん狐、狐、おじいさんのランプ、手袋を買いに、最後の胡弓弾き、童話における物語性の喪失。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,131 字 · 96 页

青空文庫

狐

一

月夜に七人の子供が歩いておりました。

大きい子供も小さい子供もまじっておりました。

月は、上から照らしておりました。子供たちの影は短かく地べたにうつりました。

子供たちはじぶんじぶんの影を見て、ずいぶん大頭で、足が短いなあと思いました。

そこで、おかしくなって、笑い出す子もありました。あまりかっこうがよくないので二、三歩はしって見る子もありました。

こんな月夜には、子供たちは何か夢みたいなことを考えがちでありました。

子供たちは小さい村から、半里ばかりはなれた本郷へ、夜のお祭を見にゆくところでした。

切通しをのぼると、かそかな春の夜風にのって、ひゅうひゃらりゃりゃと笛の音が聞えて来ました。

子供たちの足はしぜんにはやくなりました。

すると一人の子供がおくれてしまいました。

「文六ちゃん、早く来い」

とほかの子供が呼びました。

文六ちゃんは月の光でも、やせっぽちで、色の白い、眼玉の大きいことのわかる子供です。できるだけいそいでみんなに追いつこうとしました。

「んでも俺、おっ母ちゃんの下駄だもん」

と、とうとう鼻をならしました。なるほど細長いあしのさきには大きな、大人の下駄がはかれていました。