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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
浩の十円は、役には立ったに違いないが、孝之進の苦労を軽めることはもちろん出来ない。彼は窮した。そして終に高瀬という、先代からの知己で、浩の身の上も心配していてくれる家に、月十円ずつの出費を頼みに出かけた。
主人夫婦は非常に同情した。丁寧に相談に乗って、
「どうにかしてはあげたいが、何にしろ月十円ずつ、限りなくということは、なかなか難かしいことだから」という言葉が繰返された結果、或る一つの案が出された。それは、孝之進のいる村の、Mという物持ちの先代が、企業の資本としていくばくかの金を、高瀬から借用したままになっているから、それを返済させるように骨を折ってくれれば、互に借りるとか貸すとかいう心持なしで、相当な費用を出してあげられるというのであった。その金額は大きかったが、現在のM家の経済状態では何でもないことであった。成功する望みが、孝之進の目にさえ明かなものであった。
八
それから間のない或る日のことである。
商品の新荷が到着したばかりのK商店は大混雑をしていた。裏の空地で多勢の人足が荷を動かす掛声、地響、荷車の軋り。倉庫へ運び込む一騒動、帳簿との引合せなどで、店員は大抵表や裏に出払っている。