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あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

菊池寛『日本合戦譚』。同一底本的分册已合并为一书。收入:姉川合戦、厳島合戦、川中島合戦、田原坂合戦、長篠合戦、賤ヶ岳合戦、碧蹄館の戦、島原の乱、山崎合戦、鳥羽伏見の戦、大阪夏之陣、真田幸村、応仁の乱、四条畷の戦、小田原陣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 页

青空文庫

秀吉更に進んで、諸城を陥れんとして居る処に、勝家出馬の飛報を受け取ったのである。伊勢の諸城を厳重に監視せしめて置いて、秀吉は直ちに長浜に馳せ来った。秀吉、勝家決戦の機は遂に到来したのである。

勝家は信孝の急報に接しながら、雪の為に兵を動かす事も出来ずに居たが、雪の溶けるのを待ち切れず、江州椿坂までの山間の雪を人夫をして除かせた。しかし折角取除く一方から、又降り埋もれてその甲斐もなかった。何時までも、それだからと云って、待つわけにもゆかないので、三月七日、先鋒の大将として、佐久間玄蕃允盛政、従う者は、弟保田安政、佐久間勝政、前田又左衛門尉利家、同子孫四郎利長等を始めとして、徳山五兵衛、金森五郎八長近、佐久間三左右衛門勝重、原彦治郎、不破彦三、総勢八千五百、雪の山路に悩みながら進み、江北木の本辺に着陣した。勝家も直に、軍二万を率いて、内中尾山に着いた。北軍の尖兵は長浜辺まで潜行して、処々に放火した。本陣は内中尾山に置いて、勝家此処に指揮を執り、別所山には前田利家父子、橡谷山には、徳山、金森、林谷山には不破、中谷山には原、而して佐久間兄弟は行市山に、夫々布陣したのである。