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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
菊池寛『日本合戦譚』。同一底本的分册已合并为一书。收入:姉川合戦、厳島合戦、川中島合戦、田原坂合戦、長篠合戦、賤ヶ岳合戦、碧蹄館の戦、島原の乱、山崎合戦、鳥羽伏見の戦、大阪夏之陣、真田幸村、応仁の乱、四条畷の戦、小田原陣。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 页
八月末、平壌の城北乾福山の麓に小西行長と会見した。何故行長が明の使と会見したかと云うと、行長は既に日本軍遠征をこれ以上に進める事も好まなかったからである。いい潮時さえあらば講和をなしたいと考えて居たからである。明使沈惟敬が来たのは、行長にとって歓迎する処であっただろう。そこで行長は明からの正式の講和使を遣わさんことを求め、五十日をもって期限とした。沈惟敬之を承諾して、標を城北の山に樹てて日朝両軍をして互に之を越える事を禁じて去った。休戦状態である。沈惟敬は北京に還って、行長等媾和の意ある事を報じた。処が明政府は既に李如松を提督に任命して、朝鮮救援の軍を遼東に集中しつつあったので、今更惟敬の説を採り上げ様としない。聴かない許りでなく李如松は怒って之を斬ろうとさえしたが、参謀が惟敬をして行長を偽り油断させる策を説いたので命丈は助かった。期日の五十日を過ぎても明使が来ないので、行長等怪んで居る処へ、計略を含められた惟敬が来って、媾和使の来る近きに在りと告げた。行長等は紿かれるとは知らないから大いに喜んで待って居たが、其時は李如松四万三千の人馬が、鴨緑江を圧して、義州に集中しつつあったのである。