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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館 、1946(昭和21)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,984 字 · 43 页

青空文庫

一年間

勘太夫まごついて脇を向いたが、がまんできなくなったとみえて、「直二郎、こっちへまいれ」といい、そのままさっさと築山のほうへ去った。

直二郎は女へにこっと笑ってみせ、「向うに茶室が見えるだろう、あそこへいって待っておいで、なに心配することはない、すぐ来るよ」そう云って伯父のあとを追っていった。

一年間

甥が来るといきなり、勘太夫は国老に似合わない下品な言葉を口にした。老人の名誉のためにいいたくないが、それは「このやろう」とか「ならず者」とかいった風なものだった。それから「いっぱい食わせた」の「わしをひっかけた」の「ぺてん」だのという、士君子の顰蹙すべき言も並べたてた。之を要するに、老人は怒っていたのである。

「あれは女ではないか、このふとどき者め」

「さようでございます、たしかに女でございます、私は女でないとは決して申しません」

「女でないとは云わぬが、どことなく女でないような口ぶりだったぞ、その者はとか、ひとりの人間をとか、人物だとか、それはむろん女をその者と申すこともある、女も人間には違いない、だが世間一般に女ならあの女とか一人の娘とか申すだろう、たとえば困っている