轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館 、1946(昭和21)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,984 字 · 43 页

青空文庫

ご身分は福山十万石の切り盛りをする国家老だが、お若い頃は江戸屋敷で御用人をお勤めになり、ずいぶんご苦労もなすった代りには遊里へも繁しげ出入りをなすって、荻江一中などは玄人はだしといういい喉をもっていらっしゃる、ひと頃は家中きっての『通人』という定評があったくらい、酸いも甘いも噛みわけて人情の表裏をよくご存じだ」

勘太夫は胆をぬかれた、これまでそらっとぼけていたが、なにもかも知っている、「通人」などという名まで持ち出されようとは思わなかったので、老人すっかりあがってしまった。えへんえへんと空咳をしながら、慌ててうち消そうとしたが、直二郎はすかさず、

「こんどお笛どののことをお願い申したらひじょうなご同情で、それはまことに気の毒なものだ、すぐ伴れてまいれ、世話をして遣わそうという仰せでした、貴女からもよくお礼を申上げて下さい」

「このたびは有難う存じました」と、お笛と呼ばれる女はしとやかに辞儀をしながら、美しい響きのある声でしずかに挨拶した、「ふつつか者でございますが、お慈悲にあまえお世話さまになります。どうぞよろしゅう」

「う、う、それはその」