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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館 、1946(昭和21)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,984 字 · 43 页

青空文庫

ほど臭うございます、からだにこういう悪腫のあるわたくし、誰に限らず肌を触れるわけがございません」

「へっへっへ、なにかと思やあそんなことか」長吉は冷かすように云った、「それじゃあなんだな、おれが毎晩のように、膿臭いのをがまんして、膏薬貼りや晒し巻きをしてやったことは忘れたとでもいうんだな」

「仕て貰わないことを覚えている筈がありますか」

「夫婦なんてものはそんな薄情なものじゃあねえ、おれが冬の寒い晩に膏薬を練り、綿を延ばして上からあてがい……」

「嘘です、そんなことはいちどもありません」

「そうどなってもいけねえ、現に本人の亭主がこうして云ってるんだ、幾らどなったって人さまが承知するものか、ねえ旦那そうでございましょう」

「よろしゅうございます、それほどたしかに手当をしてくれたというなら見せましょう、……貴方、ごめんあそばせ」

お笛は勘太夫に会釈してしずかに衿を寛げ、両手を袖からふところへ入れたとみるや、思い切ったり、するすると帷子の肌をぬいだ、小麦色のひき緊った膚は、まるで磨きあげたように艶を帯び、あらわな肩から胸は誇らかにかたく、しかも弾力をもって盛り上る